笠舞歩と書いて「かわいい」と読む

こんにちは。笠舞歩くんかわいいbotです。

 

この文章は、手のひらに残った宝物をじっと見つめて「可愛いね」「綺麗だね」「素敵だね」と褒めそやす目的で書いています。

(訳:この文章は、劇団『ドラマティカ』ACT2/Phantom and Invisible Resonanceに登場する笠舞歩というキャラクターに対する想いの丈を綴った文章です)

 

舞台を見てない人にも「どっかのオタクの癖(ヘキ)に刺さったキャラクターがこの世に爆誕したんだな」ってことが伝わったらいいなという気持ちもちょっとあります。

 

魅力を伝えるために必要な事項は記載するスタイルなので、文脈的に作品のネタやオチが推測できてしまう可能性は大いにあります。1ミリたりともネタバレを食らいたくない方にはおすすめしない文章です。

 

フィルターがかかりまくった主観の記憶を頼りに綴っていますので正確性には欠けます。基本的に、舞台観劇と役者さんが好きなオタクの譫言です。

 

よろしくお願いします。

 

 

 

◆笠舞歩くんってだあれ?

まあまずはこちらの映像をどうぞ。

www.youtube.com

 

とってもチャーミングなスーツ眼鏡の男の子がいましたね。

それが笠舞歩くんです。

 

笠舞歩くんを演じているのは、氷鷹北斗くん(を演じている山本一慶さん)。

もうちょっと補足するなら、スマートフォン向け大人気ゲームアプリ「あんさんぶるスターズ!!(あんスタ)」のスピンオフ的な舞台作品(劇中劇のようなもの)のキャラクター。

2次元のアイドル兼役者がお芝居している姿を3次元の役者さんが演じている。そんな感じです。ちゃんとした情報は公式HPとかをご参照ください。↓

 

www.dramatica-stage.jp


◆笠舞歩くんに出逢ったオタクの第一声

6/24夜公演(初日)の幕間にスマホの電源を入れて即吐き出した感想は以下の通り。

 

 

うんうん、気持ち悪いオタクの感想ですね。

 

 

名前・かわいい・それを強調する形容詞しか言っとらん。

興奮度合いが感じられるツイートですね。

何がそんなに刺さったの?

 

ひとつひとつ、記憶が残っている範囲で確かめてみようと思います。

 

◆かわいいを羅列するだけのパート

第一声がかわいい

先述の動画にも入っている通り第一声が「京極さあ〜ん……。ほら、入れ」なんですけど、これがもうかわいい。聞きました??

「ほら、入れ」

はい、かわいい。

 

自己完結しないでもうちょっと言葉を尽くすと、氷鷹北斗としての台詞とはちょっと違う、マイルドなニュアンスがとっても素敵。

北斗を演じている山本一慶さんともちょっと違う気の弱さというか、いわゆる「やれやれ系男主人公」を感じる声色です。

 

ここ数年の間、山本一慶さんが演じた役のなかで一番近い雰囲気の喋り方をしているのは、音楽劇『星の王子さま*1の飛行士かな?と私は思いました。ランフォーのジョン・スミス*2もちょっと近いかもしれない。

ニュートラルでちょっとお行儀が良くて、自信のあるクール系というよりも気弱そうな感じ。

 

動きがかわいい

先述のOP映像でもこの魅力に関しては十分伝わっていると思うのですが、ひとりカートゥーンアニメか?という勢いで表情も指先も手も脚も動く動く。

あ~~~これはわんぱく(思いやりを込めた表現)な上司にお小言をもらしながら苦労とストレスを抱える部下ですね!?わかりました!(?)という気持ちに……。

OPでキャラのバックボーンを伝えるのがうまい。すき。

 

あと、基本的に上司や周囲にフラストレーションを抱えているキャラなので、感情が至るところに表れていてかわいい。

 

仲の悪そうな二人がぶつかるたびに

・ハラハラしたり(おくちに手をあてがちでかわいい)

・困惑したり(下がり眉とよく動く両腕かわいい)

・怒ったり(そんな漫画みたいなおこポーズある??そのかわいいポーズのままそんなかわいい歩き方する??かわいい)

・落ち込んだり(階段の使い方と三角座りが最高)

いや~、かわいいですね。

 

2幕以降もまた違ったベクトルのかわいい動きを魅せてくれるのですごい。

そんなグニャグニャした歩き方ある??何その舌ペロとふごふごしたおくちは??かわいい。

下半身をしっかり使って、全身で感情を表現しているのも素晴らしい。かわいい。

 

あと、階段での座り姿勢から急に移動して数メートル先に立つ相手に詰め寄るシーンがあるんですけど、そこの動きが独特で絶妙。

ミュージカル・コメディ改めオフ・ブロードウェイミュージカル『ラヴ』*3のときにもベンチ上で似た動きを目にした記憶があるのですが、なんで座り姿勢のままそんなきれいにスライドして立ち上がれるの??

山本一慶さんのお芝居を評価する感想のなかで「なにあの漫画(アニメ)みたいな動き!?」というフレーズを聞くことが多々あるのですが、まさにそれ。いやうそ漫画でも表現するの難しくない??(まずこの文章でも表現できてない)

わかんないよ~面白いよ~すごいよ~!

 

ダンスがかわいい

動きがかわいいのうちに含まれるっちゃ含まれるんですけど、スーツ眼鏡の人が踊ってる姿=性癖だったことが発覚して衝撃を受けたのであえて別の見出しに……。

現地でOPを見た瞬間、気付きと興奮が同時にやってきてあら大変。

個人的に、いわゆるバキバキにうまいダンスというより、あくまで「陰キャ刑事(公式表記ママ)」が踊っている雰囲気が最高にときめきポイント。

 

殺陣カッコいい

さすがにこれはかわいいではなくカッコいい。

刑事ってどんな武器を使うのかな~?と思ってたら「なんかとりあえず全部」って感じでした。撃つし刺すし投げるし蹴るしなんなら素手最強すぎんか?そんなことある??ありがとうございます。

殺陣つけてくれたろっぽんさん*4もありがとうございます。毎回期待以上の殺陣シーンを見せてくれてありがとうございます。

ちなみに今回は如意棒*5出てきませんでした。(それはそう)

 

喋ってる内容がかわいい

一慶さんのおしゃべりを何かしらの配信やイベントで見たことがある方は笠舞歩くんの某説明パートを見て「いやもうこれただの山本一慶では?」と思われたのではないだろうか。私は思った。

多少ボカして書くと、笠舞歩くんが長々と解説してくれる場面があるのですが、言ってる内容や語り口にめちゃくちゃ見覚えがある。

世の中のささやかな(だけど本人にとっては重要な)事象に対して独特な角度で不満を漏らす一慶さんのトークが私は大好きなのですが、完全にそれ。一慶さん、脚本書きました??(書いてない)

 

補足:役者さん本人が出張っているという意味ではなく、役者さんのエッセンスが多分に活きているという意味で、そもそもあんステにおける氷鷹北斗というキャラが既に一慶さんと絶妙に融合して成り立っている*6前提のもと生まれたパートなのかな?と私は思いました。

 

あと、語尾がかわいい。まろやか。「~なの?」と聞いてくれる。やさしい。

それから、京極さんの止まらないボケに対して「ん~ん!ん~ん!!」と赤子を躾けるかのような窘め方は必見。かわいい。

 

上司へのアピールの仕方がかわいい

笠舞歩くんは上司である京極哲太さん(演じているのは日々樹渉というキャラで彼を演じているのは安井一真くん)をとても尊敬しているのですが、その敬意の伝え方がかわいい。一言でいうと、いじらしい。

京極さんと歩くんの関係性を端的に喩えるならば「第三者にはバレバレなのに本人たちだけが気付いてない両片思いの二人」。

それを序盤から見せつけられたオタクはただただ困惑です。

 

婉曲な物言いしかしない(しそれで伝わると思ってる)歩くんと、放任が愛情だと思っている(そして伝わってると思ってる)京極さん。

わからんて!歩くん、そんな遠い言い回しではわからんて!!!京極さん!言葉にしないと伝わらないことってあるよ!!!まって!言葉にするのは今じゃない!そこじゃない!(オタクのガヤ)

 

怒っている姿がかわいい

基本的にぷんすかしていて大変にかわいい歩くんなのですが、じゃあそのぷんすかをどう表現しているの?ぷんすかの何がかわいいの?という話。

 

例えば、上司への不満をハイチェアにぶつける。ただ単に椅子を叩くのではなくてギュンッと回す。えっなに、かわいい……。

 

動きがかわいいパートでも書いた、漫画みたいなおこポーズ(右手をグーにして振り上げてる動き)。

物語を進めてるのは、歩くんが怒ってる対象の人たち。その会話を邪魔しないように声には出さずに全身で怒ってる。オフ芝居って楽しいよねえ。かわいいねえ。

 

伏線にもつながる怒りに関してはちょっとスンッとしてるというか、ハァ?という怒りを感じて、これがまたハートにギュンッとくるかわいさ。コミカルな怒りとシリアスな怒りが同時に味わえてしまう、それが笠舞歩。

 

喜怒哀楽ポイントがちょっと変でかわいい

えっそこで照れるの?えっそこで怒るんだ??みたいな挙動をするキャラクターによわいので私は笠舞歩によわい。(急に結論)

 

結論:全部かわいい

かわいい以外のワードでかわいいを語りたいのに結局かわいいという言葉に落とし込んでしまう。修行が足りませんね。

 

◆かわいい以外の魅力ポイントももちろんある

歌がうまい

一慶さんはもともと綺麗な歌声の持ち主で、最近はミュージカル作品続きで歌唱力も右肩上がりだったのでまた素敵な歌声が聞けるんだろうな~とは思っていたものの、毎回予想を上回る形で上手くなられているのでびっくりする。

あと何より、一慶さんご本人が近頃「歌声でお芝居(表現)することの楽しさ」を実感している雰囲気があって、それがとても嬉しい。(長年のファンではないので見当違いなことを言っていたらすみません)

 

コンサートホール向きの曲がいくつかあったので、好きな役者さんの歌声が劇場に響き渡る感覚ってこういう感じか~!!!と東大阪の劇場(今回の劇場のなかで一番コンサートホールっぽかった)で天を仰ぎました。

モリミュ*7やマズミュ*8でも近い感覚は味わっていたのですが、役どころやキャラのベクトルがまた違うので…。

 

あと、漏れ聞こえてきた感想のなかに「北斗はオペラみたいな壮大な歌とか上手そうなイメージあったから良かった」「こんな歌も歌えるんだ」みたいな原作ファンの方のお言葉があったのも嬉しかった。昔は原作ファン側だったのにねえ。不思議だねえ。

 

説得力がすごい

相手に説明をする役回りが多い笠舞歩くんなのですが、終盤の説得力がすごかった。そして「ただの山本一慶では?パート2」だった。

というのも、説明している内容が普段ご本人が語っている自論とかなり似通った内容だったから。

やっぱり脚本書きました??(書いてない)(でもアイデア出しとかはしてたのかもしれない)

 

ある意味とても正しい、物事の本質を見抜いた話をしているのですごく考えさせられた部分でもあります。

全体の世界観やストーリーに対しては思うところがいくつかあるものの、ここの下りは毎回聞き入ってしまった。なんなら公演を重ねるごとに説得力を増していたので、これ大千秋楽はどうなっちゃうのー!?ととても楽しみにしていた。

 

説得力ってどうやったら出せるのかなあ?と日頃よく思うのですが、言葉の絶妙な間合いだったり、目線の力強さだったり、身体の動かし方だったり、いろいろあるんだろうなあ。でも一番は、揺るぎないハートなのかもしれない。

 

キャラと役者さんが協力して「役」を演じている

一慶さんが先日のニコ生配信*9で「(笠舞歩は)北斗と協力しながらつくってる」といった感じのことを話していたのがとても記憶に残っている。

それより前の、また別の配信(イベントだったかもしれない)では、家では台本を開かないと日頃から豪語しているあの一慶さんが「この間、家で台本開いちゃったよね笑」といったことも話していた。

北斗が演じるなら(この台本と向き合うなら)どうするか?ということを想像しての行動だったとか何とか。うろ覚えでごめんなさい……。

 

実際に公演を見て私が感じたのは、「北斗のオーダーに対して一慶さんが応えてつくり上げたのが笠舞歩では?」ということ。

 

氷鷹北斗が「笠舞歩」という役を演じるにあたってのプランを提示。それを実現するために必要なスキルや要素を一慶さんが提供。必要に応じて「こうした方がいいんじゃない?」的なアドバイス(アレンジ)もオプションで提供する、みたいなイメージ。

 

要所要所で「山本一慶さんご本人では……?」というパートを感じながらも、どこでその要素を出すかの判断は北斗に委ねられているような、いつもの一慶さんのお芝居とは少し違う不思議な感覚があった。

氷鷹北斗がイメージしている山本一慶≒笠舞歩なのでは?という印象。

(北斗くんがイメージする役者・山本一慶さんは実際のご本人よりちょっと2次元的に誇張されていそう、という私のイメージの投影もある)

 

ACT.1では散々解釈に悩んで自分なりに落ち着きどころを見つけて納得した経緯があるのですが、それが良かったのか何なのか、今回でやっと「ドラマティカのこの構造、キャラ作りという観点ではめちゃくちゃ面白いな…??」と思いました。

 

前回は物語ありきの作品だったのが、今回はキャラありきの構造ぽかったのも影響してるかもしれない。

 

日ごとに印象が全く違う

これは今作のカーテンコールのネタバレになっちゃうんですけど、和蒜 デニス 健治を演じた斎宮宗くん(を演じているのは山崎大輝くん)が

 

「人も役も、日々変化していく。また観に来てくれると嬉しい」

 

みたいなことを言っていて。

 

どの舞台もそうだと思うんだけど、劇団ドラマティカというカンパニー全体が本当に「変化」を大切にしている気がしていて(だからちょっと長めの公演期間が設定されてるのかな?わかんないけど)だからこそ京都14公演吹っ飛んだのはくやし~~な~~~という気持ち。*10

 

私は幸運なことに東京・大阪・京都の3か所で観劇できたんですが、全部の劇場で笠舞歩というキャラクターの印象が違っていて。

 

 

突然オタクの気持ち悪い譫言を引用してすみません。本当に申し訳ない。

オブラートに包みながら感想を漏らすにはこの表現しか思い浮かばなかったんです本当にごめんなさい。でも我ながら的を射てると思う。(急に開き直る)

 

私の語彙が少女漫画なので「恋」と表現しておりますが、前者の恋する乙女が東京(配信日辺り)の印象で、後者が大阪・京都の印象。

 

台詞はほぼ変わってないのに、言い回しや表現でこんなに変わるんだ~!?こんなに変わるとキャラ同士のパワーバランスも変わるのでは~!?!?え~!?たのし~~~!!!!となっておりました。

 

面白かったのが、東京初日&2日目しか見ていないときの私と、大阪公演しか見ていない友人との会話。

笠舞歩くんかわいいと言い張る私に対して、「気持ち悪くて良かった(褒め)」と返した友人。いくつか感想のやり取りをしたのですが、微妙に食い違ってて、私に強めのフィルターがかかっているにしても(そこは認める)ちょっと違和感があるような……??と思っていた。

 

大阪公演を見た私は「なるほどね!????」となった。

 

メサイア*11

 

正直「初日頃のアプローチが好きだったのに」みたいな感情はちょっとあった。でも、それ以上に「そうか、今回は演じるキャラクターの固定概念がないに等しいから自由に進化していけるんだ」という気付きがありこの感想に至りました。

 

友人と同じ作品、同じキャラクターを見ていると思い込んでいたら、どうやら全然違うものを見ていたようです。

こういうのをね、アレっていうんだよね、歩くん。

 

◆まとめ

どうやってまとめよう!笠舞歩くんかわいいです!

直近で再配信があるかどうかはわからないけれど、ACT.2の円盤化は決まってる((東京2日目夜に配信があったのでそれがベースになるのかも??)12/21発売予定)のでよろしくお願いします!

 

ちなみに前回のACT.1は7/29まで再配信やってます!全景とスイッチングの2種あるよ!全景に至っては770円とかいう意味わかんないくらいお安いお値段だよ!!!

氷鷹北斗くんが演じる悟空は笠舞歩くんとはまた違った意味でかわいいです!

www.dramatica-stage.jp

 

 

 

 

笠舞歩というキャラクターを生み出してくれた劇団ドラマティカと山本一慶さんに乾杯!

 

テンプレ文ではなく心の底から、魂込めて、ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます!!!

 

 

 

 

 

*1:残念ながらゲネプロ映像はない(と思う)のですが、お写真ならスマボさんとかで見られます→https://sumabo.jp/150053

*2:ロンドンコメディ『Run For Your Wife』。気弱でいい人そうだけどオブラートにも包んでひどい男だよジョン・スミスって奴は……

www.youtube.com

*3:ひどい男パート2。件のベンチの動きは見れませんが、癖のある動きと賑やかさは伝わる映像だと思います。

www.youtube.com

*4:六本木康弘さん。この殺陣最高だな!?キャラやストーリーが活きてる!!と思ったら高確率でろっぽんさん。(私調べ)

*5:ACT.1が西遊記モチーフだったので北斗くんは悟空の役を演じていました

*6:あんステ初演が2016年なので山本一慶さんはかれこれ6年以上氷鷹北斗というキャラを演じている

*7:ミュージカル『憂国のモリアーティ』。一慶さんはここでもスーツ眼鏡の役ですがこちらは金髪のスーツ眼鏡です。

*8:ロックミュージカル『MARS RED』

*9:2022.7.4 ホッとひといっKi 第41回

*10:最後の公演地だった京都公演は初日の2公演以外が全部なくなりました。

*11:超絶面白くて最高のメディアミックス作品なのに諸般の事情により配信はないしBlu-rayはそもそも存在しないしDVDは廃盤だし新規ファン泣かせの作品