2020.4.25 ネット演劇「マトリョーシカの微笑」

緊急事態宣言が発令されてた時期に、はじめて配信で観劇したのがこの作品。

見ようと思ったきっかけは、「とにかく新作の演劇が見たい」という飢餓感と「この役者さん達ならきっと素敵なお芝居を繰り広げてくださるだろう」という信頼感。あとは、嗜好が近いフォロワーさんが配信チケットを買ってたとか、新しい取り組みを応援したいとか。

 

正直「ネット演劇ってなんやねん」と思ってましたが、結論から言うと面白かったです。

 

赤澤燈さん、染谷俊之さん、平野良さんの三人芝居。役者さんはそれぞれグリーンバック(多分)の個室で演じ、リアルタイムで三人をひとつの画面にまとめて映し出して、背景には世界観に合ったイメージ写真を合成。いわば電◯少年的な画面でのお芝居。

 

リズミカルに交わされる会話から、それぞれの役どころや人間像を思い巡らせているうちに物語は進み、今日も染谷さんは美しい。役者さん達の熱も入る。ついには、感情が昂って思わず画面からログアウトしてしまう赤澤さん。笑(※座ってお芝居されてたのですが、立ってしまうとカメラのフレームからはみ出てしてしまうため見切れます)

 

気付かないご本人に向けて、役を守ったまま注意する平野さん。注意するだけでは終わらない。そのあと「意図的に立って、敢えて画面からログアウトして突っ込み待ちをする技」を生み出していました。笑

 

その他にも、セルフASMR的な演出としてマイクの近くでじゃが◯こをサクサクさせて「カツ丼を食べる音」を演出。

 

……平野さ〜〜〜ん!!!(すきです)

 

昼夜ともに平野さんの楽屋トークつきの配信チケットを買ってて良かったなと思いました。(赤澤さんと染谷さんのも聞きたかったのですが一人しか選べなかったような……あと、そのときは複数人分配信チケットを買うという発想もなかった気がします)

 

観終わって個人的に嬉しかったことは、新しい表現が生まれる瞬間に立ち会えたこと。役者さん達が口を揃えて「久しぶりにお芝居した!」「楽しかった!」と嬉しそうにしていたこと。

 

それから、役者さんが「今、目の前で時間を共有しているであろう観客に向けてお芝居をする気持ち」を持って演じてくださるのであれば、それは「映像作品」ではなく「演劇作品」なのだと思えたこと。

 

冒頭で、プロデューサーの丹羽多聞アンドリウさん直々のご挨拶と作品紹介が聞けたのも良かったなと。新しい試みだからこそ、こういった説明や心配りがあると受け取る側として安心できるし、何より、実際のマトリョーシカをパカパカ開けて「あっ、まだ入ってる。。」といったご様子が微笑ましかったです。笑

 

タイムシフト再生(アーカイブ再生)は可能なのか?見られるとして、実際にどうやって見るのか?など、当日まで誰もあんまりわかっていなかった感じが今はもう懐かしいです。(※アーカイブ再生できました。当日23:59まで観れたような?)

 

「配信のアーカイブ再生は物語のスピード主導権が自分にあるから早送りできてしまう(リアルタイム感ダウン)」「同じ脚本の作品はどうしても2回目以降が集中しづらい」という個人的なデメリットがあることに気付きましたが、この辺はまあ、想定の範囲内というか、なんというか。

配信ならではのメリット・デメリットを感じつつも、「気になった配信作品は積極的に見よう」と思わせてくれるきっかけになった、個人的に記念すべきタイミングで「観劇」できた作品でした。

 

 

 (2020.7.30 note投稿/2021.1.1記事移行)